
イヤホン難聴とは?
「イヤホン難聴」「ヘッドホン難聴」は、イヤホンやヘッドホンなどを使って大きな音を長時間聞き続けることで生じる、騒音による聴覚への影響を指す一般的な呼び方です。
WHOによると、聴覚へのリスクは、音の大きさ・聞いている時間・音にさらされる頻度によって変わります。
音が大きくなるほど、耳に安全にさらされる時間は短くなります。例えば、平均80dBでは週40時間、90dBでは週4時間が一つの目安として示されています。
つまり、
「どれくらい大きな音を、どれくらい長く聞いているか」
が重要なのです。
イヤホンを使った後、こんなことはありませんか?
イヤホンやヘッドホンを使った後に、次のような変化を感じることはありませんか?
- 耳鳴りがする
- 耳が詰まったように感じる
- 音が聞こえにくく感じる
- 高い音が聞き取りにくい
- 人の話を聞き返すことが増えた
- 騒がしい場所で会話が聞き取りにくい
- テレビの音量を以前より上げるようになった
こうした変化が続く場合は、単なる「聞き疲れ」と考えず、一度耳の状態を確認することをおすすめします。
WHOも、耳鳴りが続く、高い音が聞き取りにくい、会話についていくことが難しいなどの症状がある場合には、専門家への相談を勧めています。
イヤホン難聴を防ぐためにできること
では、普段からイヤホンを使う場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?
① 音量を上げすぎない
まず大切なのは、音量を上げすぎないことです。
WHOは、個人用オーディオ機器を使用するとき、最大音量の60%以下を一つの目安として推奨しています。可能であれば、スマートフォンなどの音量制限機能や音量モニタリング機能も活用しましょう。
「周囲の音がまったく聞こえないくらい音量を上げる」という使い方は避けたいところです。
② 長時間、連続して聞かない
音量だけでなく、使用時間も重要です。
WHOでは、音が大きくなるほど安全に聞ける時間が短くなることが示されています。
例えば、
80dB → 週40時間
90dB → 週4時間
というように、音量が10dB上がるだけでも目安となる時間は大きく変わります。
そのため、「音量はそれほど大きくないから大丈夫」と考えるのではなく、長時間連続して使用しないことも意識しましょう。
③ イヤホンを使わない時間を作る
音楽や動画を楽しむこと自体が悪いわけではありません。
大切なのは、耳を休ませる時間を作ることです。
イヤホンを長時間使用したら、静かな環境で耳を休ませるなど、音にさらされる時間を減らしましょう。
「ずっとイヤホン」ではなく、
音楽を聴く時間 → 休憩 → 音楽を聴く時間
というように、耳を休ませる習慣を作るのもおすすめです。
④ 騒がしい場所では音量を上げない
電車やバスの中、パチンコ屋、カフェなど、周囲が騒がしい場所では、音楽が聞き取りにくくなります。
すると、
「もっと音量を上げよう」
となりがちです。
WHOは、周囲が騒がしい環境では、適切にフィットしたイヤホンやノイズキャンセリング機能を利用することで、音量を上げる必要性を減らせるとしています。
実は「ドライヤーの音」にも注意
イヤホンやヘッドホンだけではありません。
私たちの日常生活には、意外と大きな音を出すものがあります。
その一つがドライヤーです。
WHOの資料では、ドライヤーの音の例として約100dBが示されています。音の大きさだけでなく、どのくらいの時間その音を聞くかも重要です。WHOの目安では、100dBの場合、週あたりの安全な聴取時間は約20分とされています。
もちろん、実際のドライヤーの音量は製品や使用環境、耳との距離などによって異なります。
だからこそ、
「ドライヤーは毎日使うものだから、長時間・大きな音にさらされ続けないようにする」
という意識が大切です。
ドライヤーを使うときは
- 必要以上に長時間使わない
- 耳のすぐ近くで使用し続けない
- 髪を乾かす時間をできるだけ短くする
- イヤホンなどで大きな音を聞いた直後は、耳を休ませる
などを心がけましょう。
イヤホンだけを気にするのではなく、一日の中で耳がどれくらい大きな音にさらされているかを考えてみることが大切です。
「イヤホンを使う=難聴になる」わけではありません
ここは誤解しないようにしたいポイントです。
イヤホンそのものが悪いわけではありません。
音楽を楽しんだり、動画を見たり、ゲームをしたりすることも、私たちの生活の大切な楽しみの一つです。
気をつけたいのは、
大きな音 × 長い時間 × 繰り返し
という組み合わせです。
WHOも、音量を下げること、使用時間を減らすこと、こまめに耳を休ませることなどを安全な聴取の方法として紹介しています。
「最近、聞こえにくい」と感じたら
もし、
「最近、テレビの音が大きくなった」
「家族から聞き返しが多いと言われる」
「人の声が聞き取りにくい」
「騒がしい場所で会話が聞き取りづらい」
「耳鳴りが続いている」
ということがあれば、一度聴力を確認してみることをおすすめします。
特に耳鳴りや聞こえにくさなどが続く場合は、自己判断せず、まずは耳鼻咽喉科に相談しましょう。
早い段階で聞こえの状態を知っておくことは、今後の耳の健康を考えるうえでも大切です。
大切な耳だから、毎日の「聞き方」を見直しましょう
音楽、動画、ゲーム、オンライン通話など、イヤホンを使う機会はますます増えています。
だからこそ、
音量を上げすぎない
長時間連続して聞かない
耳を休ませる時間を作る
騒がしい場所では音量を上げない
ドライヤーなど日常生活の大きな音にも注意する
といった習慣を意識してみましょう。
「まだ大丈夫」と思っていても、聞こえ方の変化は自分では気づきにくいことがあります。
いつまでも音楽や会話を楽しむために、今日から耳をいたわる習慣を始めてみませんか?
聞こえについて気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
※本記事は聴覚の健康に関する一般的な情報を提供するもので、診断や治療に代わるものではありません。耳鳴り、聞こえにくさ、耳の痛みなどの症状がある場合は、耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。
